オルガ

蜂蜜

  奪われたのは動きと呼吸だった。 いつの間にやら寝返りを打っていたのか、視界にはベッドの天板ではなく壁が広がっている。唯一自由な視線を下げ、体を縛りつけるようにお腹に巻きついているものを見下ろした。その正体にうっすら気づいている…

サイコロでつくった本

 自分へのクリスマスプレゼントっぽくしたくて、発行日を今年のクリスマスイブにしました。かつ初のR指定本。 9人分のイラスト&短編ができあがったときは達成感がものすごかったです! 自分の好きなお相手&性癖が詰まってる~! 表紙上:オルガ、シャ…

救援

  三人が殴り合いの大ゲンカをしたなどという話も記録もない。そんなきっかけになるほどのかかわり合いすら少ないくらいだ。それなのに、この光景はどういうことなのだろう。 部屋の床に転がるふたり。 こんなことを目の当たりにして平静でいら…

ネギトロ軍艦

 「あいつら今どのあたりだ?」「ついさっき校舎出たってさ。シャニはいったん部屋に戻って、はまっすぐこっちに来るって」「ったく時間かかりすぎだろ」「先食べ始めちゃおうよ。僕たまごー」「茶でも入れるか……」「そういえば、俺たちのことき…

カルテット

  寝たふりをするとどうしても目元に力が入る。自覚はあっても続けなくてはいけないシチュエーションがあるだなんて思ってもみなかった。まぶた越しの暗がりに突然灯された暴力的なほどまぶしい照明は、薄目を開けて周りの様子をうかがうことすら…

エンドロール

 「わたしの家は火葬だった。でも土葬のところもあるみたい……」 思い出しながらの発言はあいまいに揺らいだ。そうさせたオルガは頷きながらペーパーバックへ視線を戻す。いつも静かに本を読む彼がこちらへ声をかけるときは、だいたいその頁の上…

棍棒外交

  寮に対してはあらゆる噂がまことしやかにささやかれている。やれ精鋭部隊の養成所だとか、やれ夕方に銃の訓練をしてるだとか。 もちろんぜんぶでたらめだ。寮にいるのはただの特待生たちで、銃声はおそらくクロトとが窓全開でシューティングゲ…

地獄絵図

  久しぶりに聞いた通知音は、あまり機能していないメッセージグループへの着信だった。この寮の四人全員を巻き込むほどの用事が起きることは少ないからこそ、その用件がやけに気になる。面と向かって言えない相談だろうか。 デスクに置いていた…

犠牲バント

 「じゃあ次、必殺技といえば?」 わたしの質問にしばしの間を置いてそれぞれの答えが部屋のあちこちから返ってくる。「……アバンストラッシュ」「超究武神覇斬でしょ」「波動砲しかないな」「オルガのは技じゃなくて武器だろ。判定」「うーんヤ…