頭ぽんぽん

 暗い部屋の中、ただ瞬く目がある。「君は神に祈らないのですか、こんなことをされて」「近所の神社だと拍手を二回」 彼女が再現してみせる「かしわで」というのは神社参りの作法だろうか。ぱちぱちと合わされた手のひらから手首に続く曲線をぼんやりと眺め…

背中合わせ

「傷心中」 そんな貼り紙ひとつ分の結界に骸は引っかかってくれた。軽いノックの後、扉の向こう側で座り込む気配がする。「今度は何です」「顔も見せたくないくらい落ち込んでる」「そんなに酷い泣き顔とは思いませんがね」「客観じゃなくて主観の問題なの。…

お花見

 花が降っていた。 目を覚ました瞬間、飛び込んできたのは見慣れた部屋の天井ではなく淡いピンクの胡蝶蘭。横になっているのはベッドではなくぶ厚い硝子ケースの中で、花が続々と積もっていく。「どうしてこんなことするの」「君が泣き疲れていたからですよ…