君はドラキュリーナ
※流血注意 朝から授業そっちのけで保健室に閉じこもったのをどこから察知したのかやはり追手は現れた。カーテンを閉め切った内側へ躊躇いなく侵入してきた彼は両手で死守している口元のハンカチをいともたやすく剥ぎ取って。「……犬」「違いますー!」 猿…
RE!短編:雲雀雲雀
たぬき
じっ、と真剣に注がれる視線が瞼越しにでもわかる。すぐにでも起き上がって驚かせてみたいのを堪えて寝たふりを続行した。……とはいえさすがにソファーを丸々占領して横になるのはやりすぎたかもしれない。 おやつタイムも過ぎた、ちょうどうっとりする…
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罠になんて負けません
「指定の薬品全てを服用後、12時間の待機」 唯一のドアにかけられたプレートにはそれだけが書かれている。寄りかかった白い壁から眺めていた文字は数分前から確実にぼんやりと滲み始め、今ではただの図形と誤認しそうなほど溶け果てていた。 そして、ここ…
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ソルビトール
冷蔵庫の中、飲料をまとめるポケットに収まるものはだいたい決まっている。麦茶、緑茶、ミネラルウォーター、アップルジュース。赤々としたりんごのパッケージを鷲掴みにするたびに、ここにも彼女を思わせる場所がさり気なく増えたことを実感する。特段好み…
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穴
「眠たい」 のそのことばは一種の暗示だと言っても過言ではない。 育ち盛りなのか単なる寝不足なのかこの子はどこででもうとうととする。その頻度が、僕の目の前だと若干多くなるのは喜ぶべきことだろうか。「寝るのかい」 こくりと頷くのはのベッドの上だ…
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アイスコーヒー
「真冬だよ」 そのことばに「それなのにどうしてアイスを頼んだの」が隠されているのがありありとわかるのが嬉しい。カフェの一番奥、午後の日差しが入ってこないこの席だととくにそう感じるのは仕方ない。としてもアイスコーヒーじゃないといけない理由があ…
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奇妙
肺が痛む。 洋館らしきものの廊下を当てもなく走っている。逃げるために。どの窓もワインレッドの厚いカーテンでぴたりと蓋をされて外の様子は伺い知れない。ただひとつ、空気を伝って飛び込んでくる低い雷鳴のほかには。 辛うじて明かりが落ちるビロード…
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難攻不落
「キョーヤが大好き」 はそのひとことをくれたのと同じ口で春もみかんも映画も大好きと言う。「君の大好きに序列はあるの」「ないよ。全部好き」 ためらいがちに背中に寄りかかってくる温度に嘘はない。それでも気分が晴れないのは「いちばん」という前置き…
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カウンター
キョーヤが寝ているのを見ることは少ない。というのはわたしが先に寝ることが多いから。 つまりこれは貴重なチャンスで。「もしもーし……?」 わたしの後ろで、ベッドに腰かけて本を読んでいたはずがいつの間にか横になって目を閉じている。雑誌を放っ…
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突発センチネルバース
★はじめに★この章はセンチネルバース設定です。現在様々な設定が適用されているバースですが、本サイトでは以下の定義でいきます!***・センチネル…五感のいずれかまたは全てが異様に発達した人間。後述の理由でガイドに執着する。・ゾーン…センチネル…
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身の程知らず
校舎にガラスの割れる音が響いたのは日の沈みかけた時刻だった。次いで聞こえる怒号、男子数人のものがだんだんと近づいてくる。キョーヤは疎ましげに扉の向こうへ視線をやったきりで慌てた風でもない。わたしと正反対だ。「え、え? 何だろ、喧嘩かな」「…
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性癖ゲームブック
★はじめに★この章は選択肢リンクを選んで先のページを読み進めるタイプです。次へ #0 秋も深い夜、ふたりでこたつに入ってみかんを食べるのはもはや恒例行事と化し。こんな調子でテレビもラジオもつまらない年末年始まで過ごせ…
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