RE!短編:雲雀

ヤマタノオロチ

  今日のおやつは大きなみかん。ひと房分けてあげるとキョーヤはとても気に入って、結局ほとんど食べてしまって。最終的にはいくつだったっけ。わたしの「あーん」に応えてくれるのが嬉しくて数えるのを忘れていた。 なんてことを思い返している…

突発ガーデンバースーR

★はじめに★この短編はガーデンバース設定です。pixivで作者様が世界観を説明してくださっています。(ピクシブ百科事典もあり) 本文へ    この家に花生みが生まれたとき、正確にはその子どもが花生みだとわかった…

通信教育

 「かわさき」「うん」 いくらか頁はめくられて。「あまさき」「尼崎」 次は遡って。「……かやがさき」「茅ヶ崎」「うううんんん」 キョーヤは地理でも強い。わたしが知らない場所も知っているどころか行ったことまである。「日本全国どこにで…

突発ガーデンバース

★はじめに★この短編はガーデンバース設定です。pixivで作者様が世界観を説明してくださっています。(ピクシブ百科事典もあり) 本文へ   小さなころは、毎朝お母さんといっしょに数を数えながら摘んでいた。友だちにほめられ…

ブランケット

  一見、普通の女の子だ。しかしその頭へかぶせたブランケットでは、柔らかい髪と同じ色をした三角の耳がひょこりと立っているのはごまかせない。「」 呼びかけると、みー、とも、ぴー、ともとれるいかにも子どものものとおぼしき返事がある。も…

握力

  グラウンドの真ん中で女子生徒が派手に転んだ。傷口を洗うためだろうか水道へ向かう足取りはふらつき、友人らしいもうひとりの女子があわててついてくる。窓からながめるこちらとの距離が縮まってくると彼女がひどく泣いていることに気づいた。…

共謀罪

  胸ポケットから丸い目の羊が顔を覗かせる、なんともによく似合うデザイン。真冬用を持ってきたと張り切って着替えたパジャマは、見た目にも柔らかな淡いピンクをしている。もともとふんわりとしている彼女のシルエットをさらに円くするのは、楽…

ペパーミント

  いつもいっしょに歩く通りを、ひとつ右へ曲がるとすぐにアイスクリームのお店がある。すぐそばの公園にはベンチが置いてあって、少しくつろぐにはちょうどいいところ。 そんな話に興味を引かれたのかキョーヤは案内を任せてくれた。そして今、…

ふわふわ

  ふと目を覚ましたときには、ベッドの足元に寄せていた毛布が胸のあたりまで覆いかけられていくところだった。ほんの十数分ばかりの睡眠の先にも、視線を少し巡らせればすぐそこにがいる。少し驚いた目は、こちらを認めるとほころんで柔らかく細…

ブラックスワン理論

  キョーヤがアクセサリーの類をつけることは珍しいと思っていた。しかも、こんなにごつごつした意匠は。「僕のじゃない。押しつけられたんだ」 そんな事情を聞かされたら一応は納得。だから、こうしてわたしが触ってながめて遊んでいても問題な…