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 夜の暗がりが連想させるものは、わたしたちがもうすぐ向かう場所を嫌でも連想させる。

「宇宙になんて行きたくなーい」

 グラウンドのそばにある研究棟からの目も、周りも気になってはいたものの、軽く叫んでみた。火花の弾ける音と煙の向こうから「なんでだよ」と、これも少し張り上げたクロトの声が飛んでくる。

 燃え続ける手持ちの花火は、熱くてまぶしくて太陽のよう。彼らははじめ「機体の修理に使うアレ」と言い表したっけ。多分溶接のこと。

「思いっきり暴れられるじゃん」
「いつ帰れるかわからないでしょ」
「帰ってこられると思ってんのか」

 火薬の尽きた花火をバケツに放り込む瞬間の、火種が水に浸かるじゅっと短く鋭い響きをシャニが横目で見下ろしている。その隣でオルガはことばを継いだ。わたしをながめながら手元では新しい花火をパッケージから取り出している。

「戻ったところでどうすんだよ?」
「どうって……」
「シアのやりたいこと。なに」

 地べたに座り込むシャニのそばに、彼の線香花火の玉がぽとりと落ちた。答えようとしたわたしを遮るタイミングでやってきたそよ風のせいかもしれない。

 不意の涼しさのなか、ふと目に入ってきたのは彼らが背にしたフェンスの切れ目。電子ロックひとつかかった出入り口。

 ここじゃない場所への道はこんなに近くにあって、そっけない形をしている。