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彼の元から走り寄ってきたのを反射的に胸に抱きとめ、しかし思考はいつまでも追いつくことはなかった。確かに倒れたはずの白蘭が、心の底から安堵した柔和な表情を向けているのがなぜなのかも知る由はない。森に差す昼の光の中に佇む場面を見ることになる…
RE!長編01-06雲雀
07
次いで駆けつけたのは先ほどアラウディに成り変わられた職員だった。目を覚ました直後に施設の床が抜けているところを発見し、慌てて被害者がいないか探しに来たと言う。 そして当然、彼の通報によって白蘭は病院送りになった。「また入院かなぁ。あそこ…
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06
「答えて。あの子がいなくなってしまったのはなぜ」 それは尋問の様相を呈しているにも関わらず脈絡のない唐突なものだった。ちゃんに彼の言う人物との面識はない。何より子どもに向けるにはあまりにもそぐわない、平坦で色のない音。「冷たいね」 ――そ…
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05
ちゃんも白蘭も、彼と僕の声が似ていると言った。――それを一分の隙もなく否定したい。そう思えるほどアラウディの声は仄暗い色をしていた。あの男とちゃんがいっしょにいるのはほとんど決まったことと考えていいだろう。あそこから目標を取り逃がすよう…
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04
「猫ちゃん」「スフィンクス」「こけし」「ツタンカーメン」「三角」「ピラミッド」 この日最後の上演だった会場から出た足で向かうのはエジプト展、こうなることは大体予想がついていた。足取り軽くレプリカの前を行くちゃんのすぐ後ろを歩きながら訂正を入…
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03
ちゃんに関するデータはこの時点では見当たらなかった。隣のパネルで白蘭と同じ操作をしながら確認してみたものの、彼が関連するものを削除していた様子はなかった。某国の軍備の横流しを示唆する内容とその売買地点のこと細かな記録が蓄積されたデータベ…
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02
その目が次に捉えたものに対し微かに驚き、見張られるのは一瞬だけだった。感情を押し殺すどころか発生させないことに慣れきっているらしいアラウディは、表出した動揺を自覚しているのかどうかも怪しい。「君の名前は」「ぼくは、ちゃんだよ」 おずおずと…
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01
先ほどまで恐縮しきっていた草壁は今は観念して保健室のベッドにうつ伏せになっている。それを横から神妙な面持ちで見守っていたちゃんだったが、やがて気合いのかけ声とともに小さな握り拳を振り下ろした。ワイシャツの下の背筋が微かに強張るのがわかる。…
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