「サンタさんにもらったプレゼントって、かわいくラッピングしてあるでしょ?」
この家にサンタが来ていたときの記憶はないが、みどりの部屋を訪うサンタの表情ははっきりと想像がついた。先ほどドライヤーを当てたばかりの、さらさらの髪をなでているとうとうとと彼女の瞬きがゆっくりになる。それを見ているとなおさら眠気を誘われた。温かなその指で毛布をかけられたときから危うかったが。
「破かないようにそーっと開いてくの。わたしに触れてくれるときのキョーヤってそんな感じ」
「……わからないな。僕に届くものは包めないものばかりだった」
「包めないものって?」
「バイクとか」
「えぇ……」
半信半疑の視線はまぶたの下へ。枕に埋もれるようにして文字通り眠りに落ちていくみどりを見送って、こちらも目を閉じた。向かい合って横になると、小さな手が僕を探すようにぺたりと差し出される形になる。少し重みのある布の下でそれを探り当てるのは容易かった。何度も繰り返したことだから。
柔らかくて、ふとしたことで傷がつきそうに華奢な感触。繊細な作業ならみどりのほうがよほどうまいだろう。
――という確信を最後に思考は途切れ。
目を覚ましたときにはすっかり朝になっている。そうとわかるのは、部屋を淡く満たす光の気配のおかげだった。
いちばんに確かめたみどりはやはりまだ起きていない。いつの間にやら僕の手を緩く握って、体温が透けるような頬の色のまま。
「みどり」
伸ばした腕でカーテンを開きながら呼びかける。
気持ちよさそうな寝顔のそばにプレゼントを置いていくのは、きっとこんな気分なのだろう。
「君が僕に触れるときは、こういう朝みたいな感覚がするよ」
まぶしさに意識がついてきたのかみどりがもぞもぞと身じろぐ。
今のことばは、聞こえていたのかどうか。
ランダム単語ガチャ No.6581「太陽光発電」
