赤面

「やっぱりツナくんのママのおやつはおいしいねー」

 甘いホットケーキにバターがよく合う。ほとんど夢心地で頬張るのを、さっきからツナはじっと眺めている。まるでおいしいものを食べたような幸せそうな笑顔で。

「あんまり見ないでよー、何かついてる?」
「えっ、あ、ごめん! ……ほんとに綺麗に食べるなって思って」

 頬杖からずり落ちながらのけ反る。見てて飽きない反応をこの前リアクション芸ってからかったらへそを曲げたっけ。

「君が何か食べてるとさ、ほっぺたがこう……ふくふくしてて、柔らかそうで見てるの好きなんだよ、俺。えっと、伝わった?」
「……すごい」

 伝わりすぎるほどだった。おずおずこちらを伺う自信なさげな表情が信じられない。

「すごいよツナくん。わたしのこと可愛いって言ってくれてるのわかるもん」
「えぇ!? 何でわかっ、違う、いや違わなくて」

 ぶんぶんと振られる手に遮られた後は思いっきりそらされて、その顔が全く見えなくなる。そんなに悪いことを言ったなんて気づかなかった。反省しないと。

「ツナくん、ごめんね。でも何で顔見せてくれないの?」
「わかってて言ってない……?」

 両手の隙間から聞こえるのは少し恨めしげな声。

「今だけは見せられないんだ」