波
ガイディングがどれだけ続いたのか、時間の感覚はなかった。熱くて、怖くて、悲しくて、互いにひとりで苦しくて――けれど、キョーヤがキスしてくれるのが嬉しいから少しだけ平気。そればかりを考えて。 目を開けるとそこは暗い室内だった。キョーヤが見上…
RE!長編02-03雲雀
かたむすび
ずっと昔、家の電話口がとんでもない音量だったことを思い出す。確か友だちが駅から携帯電話で連絡を取ってきた日のことだった。こちらの設定がよくなかったところに、あの子のはきはきとした声、さらに通過していく特急電車の車輪が酷く振動する地獄のよう…
RE!長編02-03雲雀
方舟より
大波小波、と楽しく歌える状況ではなかった。座ってもいられないほどの揺れに、体は客船の壁から壁へと振り回される。真っ暗な空からは刺すように鋭い雨が降り注ぎ、ダメ押しに凍てつくほどの暴風がひっきりなしに吹きつけていた。 まともに呼吸もできない…
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今は今日、あの場所へ
平野臣。 木島美冬。 村田佑真。 西園茉奈。 紘永名雪。 ほぼ等間隔に頁が破られたノートの中に確認できたのは五人の名前だった。ひとりでひとつの頁を独占して、まるで声を大にして自分の存在を主張するように紙面いっぱいに。ひとりめの彼が記したよ…
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