ラスクマカロンマドレーヌバームクーヘンキャラメル。ここからうかがえるだけでもたくさんの種類があった。個包装越しの小粒のきらきらがまぶしくて、嬉しくて、テーブルの向こうの笑顔を見上げると細められた目が溶けそうになる。
「宝石箱みたい。いっぱい詰まってて嬉しい! ありがとうね」
「あぁ。たくさん食べてくれよ」
さっき通りがかったカフェの席では、あちこちで男の子ひとたちが可愛い包みを手に照れくさそうにしたりにこにこ笑ったりしていた。好きなひとからの好きを返す日は、やっぱりとても楽しいものなんだ。
「それにしても、菓子ひとつとってもいろんな意味があるんだよな」
「花ことばみたいな?」
「そうそう」
大きな手には小さく見えるカップが手に取られる。
ディーノはわたしがいれた紅茶をいつもおいしく飲んでくれる。おいしいものを口にするディーノの表情はとても可愛くて、素敵で、だからバレンタインのチョコ作りも気合いが入った。
ディーノも、きっと同じ。大切なひとの大好きな笑顔が見たくて、このお菓子たちを選んでくれたに違いない。そして、それはわたし。
「好きとか、幸せになろうとかな。お前に贈るにはどれかひとつだけじゃ足りなかったんだよ」
「ディーノの気持ちがたくさん入ってるんだね」
「それはもう、こ……のくらい、な」
隣に座り直して、その両腕でディーノはぎゅっと抱きしめてくれた。たくさんの気持ちが弾けてあふれてしまいそうなくらい、強く。
