まがい物

「おいしいマシマロ、あったかい紅茶、可愛いぬいぐるみ」

 どれ? と、差し出されたものに何の興味もわかなかった。テーブルの上のすべてが本当においしくて、温かくて、可愛いのだとしてもわたしにはわからない。

「君のこと大好きなんだ」

 笑うこの人は誰だろう。

「だからずうっと、見ていたんだよ」

 どうしてわたしの体は動かないんだろう。

「いつか僕だけのものになってくれるよね」

 なんで笑っているんだろう。

 きっと答えてはもらえない。椅子から見上げても、返ってくるのは嬉しそうな視線だけ。

ランダム単語ガチャ No.7309「まがい物」